採用難や人件費高騰…派遣からBPOに切り替える企業が増えている理由

「募集を出しても、全く応募が来ない」
「時給を上げたのに、他社に競り負けてしまう」
「せっかく仕事を教えた派遣スタッフが、契約満了で去ってしまった……」
今、多くの経営者や現場責任者が、派遣スタッフ雇用の管理に難しさを抱えています。
深刻な人手不足と時給の高騰が続く中、欠員が出るたびに再度募集をかけるというこれまでの方法は限界に達しているのかもしれません。
そして現在、派遣からBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)による業務委託に切り替える企業が増加しています。
本記事では、派遣からBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)」への切り替えが加速している理由とその背景を徹底比較、解説します。
1.なぜ今、派遣からBPOへの切り替えが起こっているのか

派遣スタッフの採用難、時給の高騰、3年ルールによる人材の入れ替わりなどの課題により、企業がBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)に切り替えるケースは増加しています。
BPOの導入は、人材不足の現場に人を補充し続けるという対応から、特定の業務をまるごと外部に委託することで、採用・教育・管理のコストと手間を根本から解消する方法だからです。
それでは、まず派遣スタッフ採用の現状の課題、そしてBPOと派遣の根本的な違いについても詳しく解説します。
2.派遣の応募に人が来ない理由と派遣ならではのリスクとは

かつては事務部門の人手不足解消に派遣スタッフを採用することは一般的でしたが、現在の労働市場ではその常識が変わりつつあります。派遣の求人を出しても採用ができなかったり、採用できたとしても以下のようなリスクがあるからです。
■派遣時給の高騰:目に見えない「三重のコストアップ」
三大都市圏を中心に派遣時給の上昇が止まりません。
ジョブズリサーチセンターの派遣スタッフ募集時平均時給調査によると、2026年2月の三大首都圏の平均時給は1,659円で前年同月比21円アップ、前月より5円増加しました。
背景には、最低賃金の引き上げがあります。2025年10月以降、最低賃金は全国加重平均で時給1,000円を超える大幅な引き上げが実施されており、それに伴って派遣スタッフの時給も引き上げが必要となりました。
また、2020年から運用が始まった「同一労働同一賃金」の影響も受けています。これは派遣先の正社員と同じ仕事内容であれば、同等の待遇を受けるというもので、派遣スタッフの時給もこのルールに基づいて設定されることが求められています。
これまでは、派遣スタッフの交通費は支給なしもしくは時給に含まれるという契約が多かったのですが、法改正により2020年4月から派遣スタッフへの通勤交通費の支給も開始されました。
さらに支給額が増えることにより、社会保険料も増える可能性があります。派遣先企業は時給アップ分だけでなく、交通費の実費負担や社会保険料が上乗せされた額を請求されるため、実質的なコストが膨れ上がっているという実態があります。
■「選ばれる側」になった企業
労働力人口の減少は派遣スタッフの採用の難しさにもつながっています。
求職者優位となった市場では、より条件のいい案件に人気が集中し、求人サイトに掲載しても採用ができないケースが増加しています。
また、求人サイトでは派遣スタッフ以外の正社員や契約社員の求人も掲載されているため、売り手市場となった現在では、より安定した直接雇用が選ばれる傾向もあります。
■「派遣3年ルール」という構造的リスク
労働派遣法による「3年ルール(同一組織での就業制限)」は、企業にとっては痛手ともなっています。
これは派遣スタッフが同じ職場で3年を超えて勤務することはできないという規制で、派遣労働者の雇用の安定を目的に設定されました。
しかしデメリットもあり、職場で実務に精通したスタッフも、3年経てば離れなければならないことや、そのたびに発生する新たな採用や社員による教育時間など、見えないコストや負担が発生します。
3.BPOと派遣の違いとは?コストと責任範囲を総まとめ

派遣からBPOへ切り替える際、最も重要なのは「対価として何を支払うか」という考え方の違いです。
| 比較項目 | 人材派遣 | BPO(業務委託) |
|---|---|---|
| 契約の対象 | 「労働力(人)」(労働力を提供してもらう) | 「成果(業務の完遂)」(業務の結果を納品してもらう) |
| 指揮命令 | 自社の社員が行う(指示・管理が必要) | BPO業者が行う(自社は不要) |
| 教育・引き継ぎ | 自社で行う(離職のたびにリセット) | BPO業者が完結(ノウハウは業者に蓄積) |
| コストの性質 | 派遣スタッフの稼働時間の時給や社会保険料、交通費などの福利厚生費、派遣会社のマージンを含む派遣料金を派遣会社に支払う。 | 月額制や成果報酬制、そのハイブリッドなどの料金体系から選べる。時期によって業務量に差がある場合は、成果報酬制でコストを抑えることが可能。 |
| 主なリスク | 欠員、スキル不足、人間関係のトラブル | 委託業者選びの成否 |
派遣スタッフの採用は人手不足を補うための手段ですが、BPOでは業務そのものをまるごと委託することになります。自社の社員が派遣スタッフの採用や教育、管理にリソースを取られている場合は、BPO導入が解決策の一つとなります。
4.派遣の代わりにBPOを導入する3つのメリット

派遣からBPO導入に切り替えることにより、採用の難しさや人の管理といった悩みから解放され、次のようなメリットがあります。
① 「管理工数」がゼロになる
派遣スタッフの受け入れに伴い、部署の担当者には勤怠の確認、出張などの経費が発生した場合の精算、日々の業務指示、さらにはメンタルケアや契約更新の手続きまで、多くの作業が発生します。BPO導入により、自社の担当者はこれらの管理業務をする必要がなくなります。
② 業務の属人化というリスクがなくなる
特定のスタッフしかやり方がわからない業務の属人化は、その人の退職によって業務停止に直結するリスクを伴います。
BPO事業者は、委託された業務について分析し、標準化とマニュアル化を徹底します。BPO事業者での運用に切り替えることにより、ブラックボックス化した作業がなくなるというメリットもあります。
③ 社員がコア業務に集中できる
事務作業を派遣スタッフが行う場合は、スタッフの教育や指示は所属部署の社員の業務となります。BPO事業者に事務業務を委託することは、正社員がそのような業務から開放され、本来の役割である営業戦略の立案や新規顧客の獲得などのコア業務に100%集中できるようになり、会社全体の生産性の向上にもつながります。
5.失敗しないBPO事業者の選び方

特定の業務をまるごと委託するBPOは、単なる業務の外注や的に人材不足を補填するための派遣会社との契約とは違い、ビジネスパートナーとして長期間にわたってビジネスを支援することになります。そのため、パートナー選びは慎重に行う必要があります。
以下にパートナーとしてのBPO事業者を選ぶ際の注意点をまとめました。
■委託可能な範囲の確認
現在の業務の課題を洗い出し、ていねいなヒアリングを通してマニュアル作成を支援してもらえる伴走型の支援が可能かどうかを確認しましょう。
■業務改善の提案ができるか
派遣スタッフを採用する場合は、多くの場合、社員からの指示に沿って作業を行います。BPOへの依頼では、言われたとおりに作業をこなすだけでなく業務改善が行える点が大きなメリットです。最新のITツールの提案など、継続的に効率的な方法を提案してもらえるような事業者が理想的です。
■柔軟なカスタマイズ性
自社特有の細かい商習慣やルールにも柔軟に対応してもらえるかどうかも重要なポイントです。特に中小・中堅企業にとっては伴走型の支援ができるかどうかが導入の成功にかかっていると言えるでしょう。
6.派遣からBPOへの切り替え|よくあるご質問

派遣からBPOへの切り替える場合、特にはじめてBPOを導入する場合はさまざまな疑問やお悩みがあるようです。実際によくあるご質問と回答についてまとめました。
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Q1. 派遣スタッフを使っていますが、どのタイミングでBPOへの切り替えを検討すべきですか?
A1.「派遣スタッフの募集をかけても応募が集まらない」「派遣契約が3年で終了するたびに採用・教育の手間が発生している」「派遣スタッフの管理に社員のリソースが取られている」といったことがある場合はおすすめです。人を補充する対応に現場の負担が大きくなっているならBPO導入を検討する最適なタイミングかもしれません。
Q2.現在、派遣スタッフに任せている業務をそのままBPOに移行できますか?
A2.多くの場合、移行は可能です。ただし、派遣スタッフが口頭の指示や経験で対応していた業務は、移行前に業務内容の整理とマニュアル化が必要になります。また、BPOサービスでは、現在の業務の棚卸しと最適化、可視化してから運用を開始します。まず現状の業務について相談することをおすすめします。
Q3.派遣と比べてBPOはコストが高いイメージがありますが、実際はどうですか?
A3.導入初期段階ではBPOが割高に見える可能性がありますが、派遣スタッフには採用費・教育費・管理工数・3年ごとの人材入れ替えコストなど、見えにくいコストが多く存在します。これらをトータルで比較すると、BPOの方がコストを抑えられるケースも少なくありません。
Q4.BPOに切り替えた場合、業務の指示や管理は引き続き自社で行う必要がありますか?
A4.いいえ。そこがBPOと派遣の大きな違いの一つです。派遣の場合は自社の社員が指揮命令を行いますが、BPOは業務の遂行と管理をBPO事業者が責任を持って行います。自社の社員は日々の指示出しや管理から解放され、コア業務に集中できるようになります。
Q5.派遣からBPOへ切り替える際、どのようなBPO事業者を選べば良いでしょうか。
A5.自社の業務に対して丁寧なヒアリングを行い、マニュアル作成から運用開始まで伴走してくれる事業者かどうかが最重要ポイントです。また、業務改善やITツールの活用提案など、単に作業をこなすだけでなく継続的に効率化を提案してくれる事業者がおすすめです。現在派遣スタッフが行っている仕事をそのまま引き継ぐだけでなく、業務を効率化できるため、コストを削減して運用できる可能性があります。
7.まとめ:派遣からBPOへ戦略的な経営判断を
派遣スタッフの採用は一時的な欠員のための補填として有効な方法です。
しかし、恒常的な人手不足の現在、派遣スタッフを採用すること自体がコスト高になる可能性があります。
一時的な人員の補充ではなく、業務の仕組みを変えるBPOへの切り替えは、今の時代求められるソリューションとなっています。
コウシンの「ゼロからはじめるBPO」に、現在の人材に関するお悩みもぜひご相談ください。
JIS Q 27001:2023(ISO/IEC 27001:2022)
一般人材派遣業:労働大臣許可 派13-01-0526
人材紹介業:労働大臣許可 13-ュ-010435
経済産業省認定番号:第37号‐24020002
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