業務の属人化リスクを放置していませんか?社員退職後の業務停滞を防ぐには

「〇〇さんに聞かないと分からない」
「あの人が休むと、この業務が完全に止まってしまう」
特定の社員に業務のプロセスや判断基準が依存している「属人化」の悩みを抱える企業は少なくありません。
属人化を解消しようとしても、現場の忙しさやノウハウのブラックボックス化が障壁となり、後回しにしてしまうケースも。そして社員の突然の退職や休職で、属人化していた業務が止まってしまう……。
本記事では、こうした「業務の属人化」はなぜ起こるのか、そして属人化を防ぐための具体的な解決策を徹底解説します。
1.「ベテラン社員が急に退職した後、すぐにブラックボックス化した業務を立て直すことは難しい」

業務が特定の社員に属人化していた場合、その社員が急に退職してしまうと、その業務だけでなく、それに関わる多くの部署にまで影響が及んでしまうことは避けられません。
また、すでに業務が属人化してしまっていた場合はすぐにそれを解決することもまた難しいでしょう。
経営者側に求められるのは、業務の属人化を未然に防ぐ対策を講じることです。
2.なぜ属人化は起こり、解消が難しいのか?

多くの経営者や管理職が「属人化は良くない」と理解していながら、なぜ解消が進まないのでしょうか。そこにはさまざまな事情と心理的なブレーキがあると考えられます。
■マニュアルを作る時間がないほど多忙
属人化解消の第一歩はマニュアル作成ですが、現場は日々のルーチンワークを回すだけで精一杯ということも少なくありません。「マニュアルを作るために今の業務を止める」という判断も難しく、緊急性の高い仕事が優先されてマニュアル作成は後回しにされがちです。
<実例1:当社のお客様の企業A>
長年頑張って支えてくれたベテランの事務員が、急病により退職を余儀なくされた。マニュアルもなく引き継ぐ時間がなかったため、業務が止まってしまっていた。
■「自分にしかできない」という心理的障壁
長年同じ業務を担当している社員にとって、そのノウハウは自分の社内価値そのものになっていることがあります。業務をオープンにし、誰でもできるようにマニュアル化することは、すなわち「自分がいなくても困らない状態」を作ること。無意識のうちに自分の立場を守るため、ブラックボックス化を維持しようとする心理的構造が働くことさえあるのです。
<実例2:当社のお客様の企業B>
特定の社員に属人化している業務があり、解消したいものの、取引先の利便性(融通、個別対応)を排除することがむずかしい。仕組化を進めたいが反対意見も多い。
■担当者が一人で行っていた特定の業務を担当者以外が敬遠してしまう
「この業務は特殊だから新人には絶対に無理だ」という強い思い込みも解消を妨げます。知識の少ない周囲の社員は遠慮してしまい、専門的と思われる業務から遠ざかってしまうことも。しかし、実際には特殊とされている業務も多くは、長年の経験によるところが大きく、それを言語化することを避けていると属人化は解消できません。
<実例3:当社のお客様の企業C>
営業社員や取引先との関係性もよく信頼の厚い事務社員に頼っていた。しかし一方で、慣習や阿吽の呼吸からの個別対応が多く、後輩に業務を引き継げないでいる。
このような複雑な状況で属人化が進んでしまった場合、次のような経営リスクにつながる可能性があります。
3.属人化がもたらす「3つの経営リスク」

一見、仕事は順調に進められているように見えても、業務の属人化に実は隠れたリスクが潜んでいます。具体的には次の3つの経営リスクがあると考えられます。
① 突然の離職による業務停止
特定の業務を一人で抱えている場合、その社員が退職、あるいは長期離職した場合、引き継ぎが不十分なまま業務が止まってしまいます。取引先への支払いが滞る、顧客への見積もりが遅れるといった事態を招くだけでなく、現場が混乱してさらに他の業務の遅延にもつながるリスクもあります。また逆に業務が属人化していることで仕事が集中し、業務過多となった従業員が長時間労働から休職、退職へと追い込まれることもあります。
② 不正やミスにつながる恐れ
業務がブラックボックス化していることで、第三者のチェック機能が働かなくなる恐れがあります。意図的な不正はもちろんですが、無意識に独自の判断で誤った処理を続けていても誰も気づけず、気づいた時には大きなトラブルに発展してしまうケースも少なくありません。
③ 品質管理・ノウハウの蓄積ができない
業務が属人化していると、担当者以外がその業務の流れを把握していないことで課題に気づけず、非効率なまま進めてしまっている可能性があります。担当者以外が現場の実態を正確に把握できないため、適切な品質管理や評価、人材の配置が難しくなるリスクもあるでしょう。また、組織としてその知見やノウハウを蓄積することができないため、その業務で得た知識を共有することで新たなアイデア創出につなげるといった機会を失うことにもなります。
4.BPOは属人化解消の手段として有効

このような経営リスクにもつながる属人化ですが、解消するためには次のような方法が有効です。
■業務フローを可視化する
属人化している業務の内容と課題を客観的に把握する必要があります。担当者にヒアリングして、具体的に内容を洗い出します。業務内容を見える化することで課題を明確にし、業務改善につなげることができます。その際、業務内容や関係者、やりとりする情報の流れなどを図式化するのがおすすめです。
■業務のマニュアル作成
業務を可視化できたら、標準的なプロセスに整理してマニュアル化します。その際、その業務を担当してない社員でも理解でいるように具体的に平易な言葉で言語化することも大切です。また、特定の担当者が一人で行う業務だったとしても、その業務を外から見てもわかるようにマニュアル化しておきましょう。
■情報共有する仕組みをつくる
属人化を解消するには、社員のコミュニケーションを円滑にし、情報共有がしやすいしくみを作ることも重要です。人事評価制度の整備に加えて、ITツールを活用して効率的に情報共有ができる体制を整えることも有効な手段です。
このような流れで業務の属人化は解消することは可能ですが、現実には人手不足や現場の多忙さなどにより、自社内で業務を見える化したり、マニュアル化を進めることが困難なケースも少なくありません。
そのような状況でも属人化を進めるために、外部への業務委託も選択肢の一つとなります。外注の中でも、特定の業務をまるごと委託するBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスでは業務改善をしながら定型業務を委託することが可能です。
■BPO導入のメリット
BPO導入により属人化を未然に防ぐだけでなく、次のようなメリットがあります。
<属人化の解消作業そのものを外注できる>
BPOの最大の特徴はマニュアルがなくてもBPO事業者が現場に入り、仕事を棚卸しして可視化する作業から伴走できる点です。忙しい現場の負担を最小限に抑えつつ、課題を明確にできるというメリットがあります。
<業務を分析し、最適化・標準化する>
BPOではプロの視点から「この工程は不要ではないか」「このツールを使えばもっと早くなる」といった改善を加えながら標準化を行います。これにより特定の個人のやり方から、組織にとって最適なやり方へとブラッシュアップすることが可能です。
<業務品質の維持も任せられる>
BPOなら、委託先のスタッフが交代したとしても、BPO事業者により業務品質が維持されます。標準化されたフローという仕組みそのものを外部に委託できるため、昨今の雇用状況に左右されずバックオフィス業務が安定するメリットは大きいでしょう。
属人化の解決策としてBPO導入の注意点としては、社員が辞めた直後にBPOを入れても、すぐには解決しないということです。ブラックボックス化したままの業務をいきなり外部が引き受けることはやはり困難です。そのため、事前にBPOを導入し、属人化を組織的に防ぐことが大切です。
4.失敗しない!属人化解消のためのBPO導入ステップ

それではBPOにより属人化を解消しつつ、安定的なバックオフィスを構築するための3ステップをご紹介します。
STEP 1:業務の可視化(ヒアリング)
まずはプロのコンサルタントが現場の担当者に徹底的なヒアリングを行います。「何を」「いつ」「どんな基準で」行っているのか、独自やり方から業務全体をフローで書き出します。
STEP 2:業務の整理・断捨離
可視化されたフローを眺めると、無駄な二重チェックや慣習で行っているだけの不要な報告などが見つかります。これらを削減した上でRPAや最新のITツールによる自動化を組み合わせて、業務をスリム化することも可能です。
STEP 3:標準マニュアルの作成と運用
整理された業務をベースに、業務を標準化したマニュアルを作成します。その上で、BPOチームが実際に実務を引き継ぎし、運用開始後もマニュアルを更新し続ける体制を整えます。
6.BPOサービスによる属人化解消|よくあるご質問

実際にBPO業務の属人化はどのように解決されるのか、よくある質問と回答をまとめました。
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Q1. 業務の属人化とは具体的にどのような状態を指しますか?
A1.特定の社員しか業務のやり方を把握しておらず、その人がいないと業務が止まってしまう状態です。例えば「あの人しかわからない」「引き継ぎ資料がない」「口頭でしか説明できない」といった状況が典型的です。担当者の退職や急な欠勤が、そのまま業務停止リスクに直結します。
Q2.どのような業務から属人化対策としてのBPO導入を始めるのがよいですか?
A2.まずは「特定の一人しか担当していない」「引き継ぎが難しい」「手順は決まっている定型業務だが複雑」といった業務から導入を始めましょう。現在、「他の人が手伝いたくても何を手伝えばいいのかわからない」といった業務がある場合はすでに属人化してしまっている可能性があります。そういった業務を優先的に切り出すことで、万が一の際の業務停止リスクを早期に解消できます。全面移行ではなく、一部の業務から小さくスタートするのがおすすめです。
Q3.BPOに委託すると、業務のノウハウが社外に流出してしまいませんか?
A3.BPO事業者は業務の標準化・マニュアル化を徹底するため、「社内でブラックボックス化していたノウハウが整理・可視化される」というメリットがあります。また、信頼できるBPO事業者とは秘密保持契約(NDA)を締結するのが一般的ですので、情報管理の面でも安心です。
Q4.社内でマニュアルを整備すれば、BPOを使わなくても属人化は防げますか?
A4.マニュアル整備は有効な対策の一つですが、作成・更新・管理を社内で継続して行うには相応の工数がかかります。また、業務が変化するたびにマニュアルを見直す必要があり、担当者への負担が生じやすいのが現実です。BPOであれば、こうした仕組みの維持管理ごと委託できるため、より根本的な解決策となります。
Q5.BPO事業者の中で担当者が変わった場合、業務の質は維持されますか?
A5.はい、維持されます。BPO事業者は社内で徹底したマニュアル化と品質管理の仕組みを持っているため、担当者が変わっても一定の品質で業務を継続できます。
7.まとめ:属人化の解消は「社員を守ること」に繋がる
属人化を解消することで、「その人がいないと回らない」という状況を解消するだけでなく、より効率的に業務を進められるよう改善していくことにつながります。つまり、属人化解消は働く環境を改善し、社員を守るための施策にもなるのです。
コウシンのBPOは、マニュアルがない状態からスタートしても私たちが業務整理を行い、「見える化」を実現します。属人化を解消するだけでなく、事務部門を効率的でスマートな組織にアップデートしませんか?
JIS Q 27001:2023(ISO/IEC 27001:2022)
一般人材派遣業:労働大臣許可 派13-01-0526
人材紹介業:労働大臣許可 13-ュ-010435
経済産業省認定番号:第37号‐24020002
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