BPOコンサルタントとは?業務改善を実現する役割と導入メリット

BPOコンサルタントの女性

BPOコンサルタントは、バックオフィスの業務改善と最適化を支援するプロフェッショナルです。昨今、多くの企業の課題となっている人手不足や働き方改革への対応、そしてDX化の実現においても重要な役割を果たします。

この記事では、BPOコンサルティングサービスを利用するメリットや費用相場、活用のポイント、さらに現在のBPOの導入状況についても詳しく解説します。

1. BPOコンサルタントとは?

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BPOの定義やBPOコンサルタントの役割、現在BPO導入が求められる背景について解説します。

■BPOコンサルタントの定義と役割

1.BPO(Business Process Outsourcing)の定義

「BPO」とは、企業の業務プロセスを一括して外部に委託することです。一般的なアウトソーシングや業務委託との違いは、個別の業務を外部に委託するだけでなく、業務改善や効率化の設計から運営までトータルに委託できる点です。

BPOにより、企業はバックオフィス業務やコールセンター、ヘルプデスクなどの業務プロセスを見直し、改善した上で一括して外部に委託することができ、コア業務に自社のリソースを集中させることができます。

2.BPOコンサルタントとは?

BPOコンサルタントとは、一言でいうと業務改善のためのコンサルタントです。

バックオフィス業務などのノンコア業務に企業が抱える課題を可視化し、最適なBPOプランを提案・実施、課題解決に導きます。

BPOを導入したい企業にとっては、そもそもどの業務を委託するべきかの選定が難しいこともあります。

専門知識が豊富なBPOコンサルタントはそのような企業の悩みに寄り添い、まず課題となっている部分を明確にしたうえで、最適なBPO導入プランを提案することができます。

●BPOコンサルタントの形態

BPOコンサルティングのサービスにはさまざまな形態があります。

コンサルティングだけでなくBPO業務の受託・運用も一貫して提供する事業者が多いです。

【コンサルティングファーム内のBPO部門】

コンサルティングに加えてBPO業務の受託から運用までを一貫して提供する事業者が多く見られます。

【BPO事業者が持つコンサルティング部門】

特定の分野のBPO事業からスタートし、業務コンサルやIT支援などのコンサル機能を強化していった企業もあります。

また、BPOの事業会社のコンサルティングのに中にも、さまざまな得意分野や特徴があります。

例えば、コンサルティング+システム導入とアウトソーシング、デジタル化と業務改革に特化したサービスなどです。

3.一般的なコンサルタントとの違い

「コンサルタント」とは、一般的にはクライアントの経営課題の課題解決のための戦略を立案・提言することで企業の成長や業績改善を支援する仕事です。

コンサルティングの業務では、主に経営戦略の立案・策定、実行支援など、経営に関するアドバイスを行うのが一般的です。

BPOコンサルティングもコンサルティングの中の一つですが、経理や人事などのオフィス業務、コールセンター業務などのノンコア業務の改善提案・改善支援を行うことを目的とします。さらに、一つの領域だけでなく、複数の分野に跨って支援することもあるのも特徴です。

■BPOコンサルタントが求められる背景

BPOコンサルティングサービスの需要は年々高まっており、その市場規模は拡大傾向にあります。ここでは、BPOコンサルタントが求められている背景について解説します。

1.企業のDX化・デジタル化の進展

企業のDX化の必要性がBPOコンサルティングサービスの利用拡大の一因となっています。BPOコンサルティングを導入することで、業務の可視化・標準化・改善を行ったうえで業務改善と合わせてDXを推進することができるからです。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術により、業務やビジネスを変革し企業価値を高めることです。

DXは紙で管理された板情報を電子ファイルとして保存するなど、単にアナログ作業や情報をデジタル化するだけではなく、企業のビジネスモデルそのものを変革する取り組みです。

企業がDXの必要性に迫られている背景としては、消費者の行動や価値観などの変化に加え、 デジタル技術のめざましい向上などがあります。クラウドサービスやAIの発展により、デジタル技術自体も大きく変化しています。こうした変化に対応し、競争力を向上させるためにはDX化が求められています。

しかし、DXを進めるためには、IT技術の専門的な知識やスキルが必要なため、自社にITに精通した人材がいない場合は進め方がわからず、DXがなかなか進まないケースも多く見受けられます。

BPOコンサルティングにより、業務改善のプロセスの中でDXを進めることができます。専門的なITスキルと知識を持つBPOコンサルタントのサービスを利用することで、それぞれの企業に合わせたDX実現が可能となります。

2.人手不足・業務効率化の必要性

近年、人手不足を解消するためにBPO導入を検討する企業も増加しています。労働人口の減少により、多くの企業で人材の確保が難しくなっているからです。また、人手不足の状況は今後、さらに悪化していくことが予想されています。

こうした問題に対して自社だけで最適な解決方法を見つけることは難しいかもしれません。

BPOコンサルティングサービスの活用により、自社のバックオフィス業務の効率化や、最適なBPOの導入を進めることができます。これは人手不足に悩む企業にとって有効な解決手段となっているのです。

3.働き方改革の推進

国が推進する働き方改革により、多くの企業は現在、従業員の心身の健康を守る業務体制の推進と生産性を高めるという両方の課題に直面しています。

働き方改革とは、「働く人々がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会」を実現するための改革です。

2016年から始まった政府の働き方改革の取り組みにおいて、労働関連の法律に以下のような変更が加えられています。

・時間外労働の上限規制の導入

・年5日の年次有給休暇の取得

・月60時間超の残業の割増賃金率引き上げ

・不合理な待遇差の禁止(同一労働同一賃金)

・労働時間の客観的な把握

など

これらの変更への対応に悩みを抱える企業経営者も少なくありません。

法律に準じて円滑な業務運営ができない場合は、従業員を増員するか、事業を縮小しなければならないこともあるからです。

しかし効果的なBPO導入を進めることで、人材不足を解消し業務を円滑に継続することが可能になります。

2. BPOコンサルタントを導入するメリット

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BPOコンサルティングにより企業ごとの課題を解決できるさまざまなメリットがあります。次のようなメリットが考えられます。

■最新技術の導入

IT技術が急速に発達する中で、自社だけで最新の技術を取り入れていくことは困難になっています。専門知識を持ったBPOコンサルタントのアドバイスにより、自社の業務改善に適した最新技術を取り入れ、業務効率化を進めることができます。

■専門知識を持ったスペシャリストのアドバイス

BPOコンサルタントは経理や人事などのバックオフィス業務をはじめとする業務の専門知識が豊富で、さまざまなノウハウを持っています。

社内ではなかなか解決できなかった課題に対して、知識が豊富なBPOコンサルタントのアドバイスにより新たな視点を取り入れることができるのも大きなメリットです。

また、コンサルティングにより、自社だけでは発見しづらい属人化している業務、非効率になっている業務などを明確にすることができます。業務プロセスを客観的な目線で確認し、現状把握ができるからです。

また、BPOコンサルタントによって得られたノウハウや知識はその後も企業で蓄積して活用できる点もメリットです。

3. BPOコンサルタントの費用の相場とBPO活用状況

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それではBPOコンサルタントに委託する場合の適した業務や費用の相場について解説します。

■BPOコンサルタントの費用相場

BPOコンサルティングにかかる費用は、企業ごとに合わせたサービスの提供となるため、対象となる業務範囲や量によってその金額は大きく異なります。

一般的には月額数十万~数百万円程度の料金が多いようです。大手のコンサルティングファームのBPOコンサルティング部門に依頼する場合は、1時間当たり10万円といった高額なサービスも多くあります。

また、BPOコンサルティングの費用には、固定の初期費用だけでなく、BPOサービスの利用量(例えばコールセンターならコール数など)によって変わる変動費用がかかることが多いです。初期の段階で追加の料金についても確認しておきましょう。

4. BPOの活用状況

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それでは現在、BPOの導入を進めている企業がどれくらいあるのか、BPO活用状況についてご紹介します。

「BPOに関する実態調査」(パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社実施、2024年9月26日発表)によると、BPOを導入している企業の規模では大企業が4割以上と最も多く、BPO導入により経営効率が向上したと感じている企業の約9割は中堅企業という結果となっています。

また、BPOを導入した企業のうち、85.4%が利用拡大・維持の意向を示しており、BPO導入の効果を実感している企業が多いことがわかります。

BPOの目的について最も多かったのは、「経営戦略/成長戦略の一環として、経営資源をコア業務へ集中させるため」、次いで「固定費を抑制した流動的な経営/事業活動を行うため」でとなっています。

■中小企業のBPO活用のメリット

中小企業の中には、業務をアウトソーシングしたいが難しいという企業が少なくありません。アウトソーシングには、外注する業務を決めたり、業務マニュアルを作成したりする業務が発生します。中小企業にとっては社内でそれらの業務に対応することが難しいケースがあり、ハードルが高くなってしまうのです。

実はそんな中小企業にもおすすめなのがBPOです。BPOでは、中小企業がリソースを割くことが難しい外注作業の企画・設計・分析・実作業も含めた対応が可能だからです。

コウシンでは、アウトソーシングが難しい企業のBPO導入にもご対応しております。

まずは3か月のトライアル運用から始められる「ゼロからはじめるBPO」にぜひご相談ください。

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5. BPOを導入する際の注意点

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次にBPOコンサルタントに依頼する場合の注意点を解説します。

■BPOコンサルティング導入時に気をつけるポイント

1.自社の業務改善に合ったサービスを選択する

依頼したい業務についての専門性があるかどうか、過去の導入実績などで確認しましょう。

2.セキュリティ対策

BPOコンサルティングでは、企業の財務・経理や人事に関わる機密情報を共有することが多いため、情報セキュリティに対する取り組みが適切かどうかを確認することは重要です。

3.コストと品質のバランス

BPOコンサルティングはコストをかければかけるほど有効な結果が出るとは限りません。また、期間が短すぎても十分な業務改善のための調査ができない可能性もあります。

自社が必要とする業務改善の実績があり、適したサービスを提供できるかどうか、品質とコストの両方のバランスを見て選択する必要があります。

4.BPO導入後の注意点

BPO導入後は、委託先との定期的な業務改善ミーティングを実施するなど、コミュニケーションを綿密に取り合うことが大切です。定期的なフィードバックにより成果を可視化し、委託先に任せきりにするのではなく、透明性の高い業務運用を心がけることも必要です。

5. まとめ

BPOコンサルタントは、業務改善や効率化、DXの推進、人手不足への対応など、企業の根本課題に向き合いながら価値を提供する存在です。

そしてコスト削減や業務品質の向上、コア業務への集中を図りたい企業にとって、今やBPOは欠かせない選択肢の一つとなっています。

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コウシンの「ゼロからはじめるBPO」

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一般人材派遣業:労働大臣許可 派13-01-0526
人材紹介業:労働大臣許可 13-ュ-010435

経済産業省認定番号:第37号‐24020002

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