コールセンターBPOで顧客満足度の向上と業務効率化を実現する

コールセンターは企業の顔として顧客と直接接する重要な役割を担っています。しかし一方で、人手不足や人材育成の困難さといった課題も多く、運営の負担が大きいのが現状です。
本記事では、コールセンターの課題と、その解決策としてのBPO導入のメリット、具体的な活用事例についてご紹介します。
1.コールセンター業務の現状と課題

コールセンターは顧客と企業の接点として企業のイメージも左右する重要なセクションです。しかし次のような課題を抱えていると言われています。
■人手不足
コールセンター業務における大きな課題の一つが、慢性的な人手不足です。約半数の企業で5人に1人が1年以内に離職するなど、一般的にオペレーターの離職率は高くなっています。
コールセンターの離職理由についてのアンケート調査によると、退職理由として以下が挙げられています。
・ストレスが多い
・キャリアチェンジのため
・成長の機会が少ない
・身体的負担が大きい
・収入アップのため
コールセンターでの仕事にはクレームへの応対も含まれるため、精神的なストレスが大きい側面があります。また、オペレーターの仕事を通してコミュニケーションスキルやビジネスマナーは身につくものの、非正規雇用から正社員へのステップアップが難しいなど、成長の限界を感じて転職を考える人も多いようです。
また、長時間のデスクワークによる体調不良で転職するケースもあります。
結果として離職率が高くスタッフが定着しないため、採用にかかる負担が増大したり、長期的な人材の育成が困難なことが課題となっています。
■サービスの品質向上が難しい
コールセンターでは応対品質を保つのが難しいと言われています。オペレーターのスキルの違いによって応対品質にばらつきが出やすいこともその要因の一つです。
また、日々大量の顧客対応をこなす必要があり、問い合わせの内容も多岐に渡っているため、高い応対の品質を維持することは容易ではありません。
2.コールセンターの品質管理

コールセンターの品質管理のためにはさまざまな評価基準があります。一般的には次のような基準で品質をチェックします。
・処理品質:1時間あたりの応対数や通話時間で測定
・応対品質:モニタリングやクレーム率、顧客満足度の評価
・接続品質:応答率や放棄呼率、平均応答時間などで測定
・運営品質:オペレーターの欠勤率や離職率で測定
このような評価基準はあるものの、それだけでコールセンターの品質を管理するのは難しい面があります。コールセンター業務では、顧客の気持ちに寄り添った応対が求められるからです。品質管理のためには、ランダムにモニタリングするだけでなく、担当者が継続的に公平な評価を行える体制が整っていることも重要です。
3.AI導入によるコールセンターの品質向上と業務効率化

近年、コールセンターの業務効率化の手段としてAI技術が注目されています。AIを活用することで、コールセンターの業務の多くが自動化され、コスト削減と人手不足の解消、応対品質の維持により、顧客満足度を向上させる効果が期待できるからです。
現在、コールセンターで活用されているAI技術の主な活用事例を以下に紹介します。
・チャットボット(ユーザーの問いかけに合わせてテキストで自動応答するプログラム)
・ボイスボット(音声認識機能や対話型プログラムなどにより回答するAIシステム)
・音声認識ツール(音声認識機能で通話内容をテキスト化するシステム)
コールセンターにこのようなAI技術を導入することで、オペレーターの業務負担の軽減や人材不足の解消、顧客への応対品質の統一化が可能になります。また、AIツールによっては、音声やテキストから分析ができる機能があるものもあり、業務改善に活用できるというメリットもあります。
■AIでコールセンターがなくなる?
AI技術の導入で業務効率化やコスト削減の効果が期待できますが、AIでコールセンターの全ての仕事が完全に自動化されるわけではありません。
AIは定型的な内容に関する回答には優れていますが、複雑な問い合わせや緊急時の応対には限界があります。
さらに近年、顧客からの問い合わせは多様化してきており、コールセンターは今後も柔軟な応対が求められます。そのためコールセンターの業務には人間のオペレーターが不可欠であり、AIはあくまでも業務効率化のための補助的なツールとしての活用が主流となるでしょう。
4.BPO導入による課題解決とメリット

人手不足や長期的な人材育成、品質向上の難しさなど、コールセンターの抱える課題の有効な解決策としてBPOやアウトソーシングで外注する方法があります。
■コールセンターのBPOとは
BPO(Business Process Outsourcing)とは、特定の部署や部門における業務プロセスを外部に委託することです。同じように外注を指す言葉に「アウトソーシング」がありますが、BPOは単なる業務委託ではなく、業務の効率化や生産性向上を目的としているのが特徴です。
コールセンターのBPOでは、電話応対に関する業務を外部へ委託します。問い合わせへの応対以外にも事務作業やアフターフォローなどの業務が発生しますが、これらを丸ごと委託することも可能です。
コールセンターのBPOには次のようなメリットがあります。
■応対品質の向上
BPO事業者はコールセンター業務の豊富な経験とノウハウがあります。スキルの高いオペレーターに業務を任せられるため、応対品質の向上が期待できます。
■コスト削減
BPOでコールセンター業務を委託することで採用や人材育成にかかる費用やリソースを削減することが可能です。そのためコスト面での長期的なメリットも大きくなります。
■業務改善
BPO導入により、業務フローを見直し再構築して委託するため、業務効率化や応対品質の向上などの業務改善が可能となります。
5.BPO導入の検討ポイントと注意点

次にBPOコールセンター導入の流れと注意点について解説します。
コールセンターBPOを導入する際の流れは一般的には下記のようになります。
1.目的を明確にする
まず現状を分析し、自社の課題を把握した上で、BPO導入の目的を設定します。たとえば業務の質を高める・人員不足の解消など、BPOを導入する目的を明確にする必要があります。また導入にあたって自社のコールセンターの業務フローを整理しておきます。
2.委託する業務の決定
コールセンターには、電話の応対だけでなく、それに付随するさまざまな業務があります。
どこまでを社内で運営し、どこを外部委託するのか、またはすべてを委託するなど、委託する業務の範囲や内容を決定します。あわせて応答率・解決率・顧客満足度などめざす指標も設定します。
3.BPO事業者の選定
委託するBPO事業者を選定します。導入の際は、予算や契約の形態に加えて、過去の実績や事例を確認し、自社のサービスに合った事業者を選択します。高い品質とスキルを提供する体制が整っているかどうか、セキュリティ対策が万全かどうかも重要なポイントです。
また、前述いたしました業務の現状分析や課題の把握、委託する業務範囲を決定するにあたっての業務の切り分けなどを、自社で進めることが難しい場合は、こうした内容も含めて相談が可能なBPO事業者を選定することもおすすめです。
4.引継ぎ・運用開始
BPO事業者が決定した後は、運用開始に向けて業務の引継ぎを進めます。
BPO事業者は引き継いだ内容と知見を活用して、業務フローの構築を行います。また、エスカレーションルートやインシデント発生時の対処方法、レポート内容など、BPO事業者との連携に関する項目を運用開始前までに整理しておく必要があります。
さらに、BPO事業者は運用開始後も、業務内容や業務フローの最適化を目指して改善提案を行います。
最適なBPO事業者にコールセンターを委託することで、人手不足や業務品質などの自社の課題を解決し、顧客満足度を高めることが可能となります。
6.コールセンターBPOの具体的な活用事例

それではBPOでコールセンター業務を具体的にどのように効率化できるのでしょうか。
コウシンの「ゼロからはじめるBPO」でコールセンターの業務にBPOを導入した社会福祉施設の事例をご紹介します。
こちらの法人様では、コールセンターの業務は通年の業務ではなく、コールセンターを必要とするプロジェクト単位での運営をされています。
そのため、プロジェクトのたびに職員がコールセンターの立ち上げや、派遣社員の採用、教育、運用開始後も誤案内のフォローなどに追われ、コア業務の時間を圧迫していました。
そんな中、他部署で「ゼロからはじめるBPO」の導入において、的確な業務切り分け調整や、柔軟な業務改善提案などの効果があったため、コールセンターでもBPOを導入することになりました。
実際にBPOを導入したのは申請や制度に関わるヘルプデスクの運用、申請書類の処理の業務です。
BPOを導入するまでは、派遣社員を採用して運用していたため、欠勤や離職など業務が不安定になることもあり、教育にも時間がかかっていました。
BPO導入後は、個人に依存しないチーム体制での運用を実施し安定的な運用維持を実現いたしました。さらにこれまでなかった研修制度やトレーニング体制の再構築を行い、スーパーバイザーが中心となって職員との情報共有の仕組みを構築したことで、誤案内が減り、応対品質が向上しました。
また当社にノウハウが蓄積され毎年のプロジェクト立ち上げがスムーズとなったことで、法人様はこれまでプロジェクトのたびに苦労していた立ち上げ業務に時間をとられることなく、職員がコア業務に集中できるようになりました。
「ゼロからはじめるBPO」では、現場に寄り添った導入・運用で
コールセンター事業をサポートします。
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JIS Q 27001:2023(ISO/IEC 27001:2022)

一般人材派遣業:労働大臣許可 派13-01-0526
人材紹介業:労働大臣許可 13-ュ-010435

経済産業省認定番号:第37号‐24020002
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