人手不足、業務の複雑化…自治体や外郭団体、第3セクターなど公的事業の悩みを解決するBPOサービス

人手不足や行政サービスの多様化・複雑化など、自治体や地方公共団体、外郭団体などの業務は現在、さまざまな課題を抱えています。一方で、公的な事業ではデジタル人材の不足からDX化が遅れ、デジタル化による業務効率化が進んでいない点も指摘されています。
そのような中で、一般企業だけでなく自治体や地方公共団体、第3セクターなど外郭団体でもBPO導入の動きが早急に進められています。
本記事では、自治体をはじめとする公的な事業の業務にBPOを導入するメリットや具体的な導入のモデルケースも含めてご紹介します。
1.自治体や地方公共団体が抱える課題

公務員数減少、少子高齢化、住民ニーズの多様化……多くの自治体が、日々増え続ける業務と限られたリソースとの板挟みに苦しんでいます。最近では、ふるさと納税の業務やSNSなど新たな媒体を活用した広報活動など、新しい取り組みへの対応も求められるため、多くの自治体では現場の職員への負担が増大しています。
また、「地方公共団体財政健全化法」の施行により地方公共団体は抜本的な経営改革を求められています。それを受けて、経営改善計画の見直しだけでなく、経営形態の変更や経営統合等の検討に多くの地方公共団体が着手しはじめています。
特に以下の3つの課題は喫緊の対応が求められています。
●人手不足と職員の多忙化
自治体の行政改革による職員の定数削減や、団塊の世代の大量退職などの影響で、自治体の職員の数は減少傾向が続いています。
また、小規模の自治体の場合、人口減少の影響で一般企業だけでなく、公務員や地方公共団体の採用自体が難しくなることも予想されています。サービスを維持するために必要な職員数の不足は小規模な自治体ほど深刻になります。
このような状況で、自治体の公共サービスにおいて民間の事業者を活用して質の高いサービスを提供しようとするニーズは引き続き高まっています。
●DXの遅れとアナログ業務からの脱却
少子高齢化や住民ニーズの多様化、さらに新型コロナ禍の発生により、自治体のサービスにもDX化が喫緊の課題としてあげられるようになりました。
しかし、民間企業では7割以上の企業が何らかのDXに取り組んでいるのに対して、自治体では8割ほどがDXに未着手となっており、自治体のDXの遅れが浮き彫りとなっています。
DX化の遅れの要因としては、DX推進の専門知識やノウハウを持つ人材が不足していることや、財源の確保の難しさに加えて、手続きに紙を使う文化が根強く残っていることなどがあげられます。
●住民サービスの多様化と質の維持
近年、自治体に求められる住民サービスの内容は多様化しています。
住民のライフスタイルの変化や少子高齢化に伴う福祉業務、環境や防災への対策、補助金、助成金への対応など、あらゆる面で自治体の業務は複雑化しています。オンライン申請や専門的な相談対応など、新たなサービス提供も求められています。
そのような中でも限られた予算の中で住民サービスの質を維持しなければならないという課題に直面しています。

2. BPOが解決策となる理由

BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)は、これらの課題を根本から解決する有効な手段です。単なる業務代行ではなく、業務プロセス全体の設計・運用を外部に委託することで、以下のような変革を実現できます。
●職員のコア業務への集中
定型的なノンコア業務をBPOに任せることで、職員は企画立案や地域活性化、住民サービスの向上といったコア業務に時間とエネルギーを割けるようになります。業務効率を向上させるにより、特に職員が不足している自治体の業務の負担を軽減することにもつながります。
●専門ノウハウの活用と業務品質の向上
BPO事業者が持つ業務効率化のノウハウを活用することで、自治体内部では難しかった業務改善がスムーズに進みます。コールセンターや、ITシステムの運用、外国人対応など、専門的なスキルが必要な業務も、自治体内で人材育成のコストをかけることなく、安定的な運用が可能となります。
また、BPO事業者の持つデジタル技術により、デジタル人材不足で進めることが難しかったDXも推進できる点も大きなメリットです。
結果として、多様化する住民サービスに対応しながら業務品質を高めることができます。
●コスト削減と安定した業務運営
BPO事業者の専門人材が業務を担うことで、繁忙期でも業務品質を維持し、安定した運営が可能となります。
また、人材の採用・育成にかかるコストを軽減できるだけでなく、BPOでは現在の業務を見直して最適化することができるため、コストを抑えながら質の高いサービスの提供も実現できます。
3.自治体がBPOに委託できる業務

自治体がBPO事業者に委託できるのは、補助的・事務的な業務が中心となります。
ここでは実際に自治体の業務で委託できる業務内容をまとめました。ただし、BPO事業者によって委託できる内容は異なるため、導入時に確認が必要です。
| 委託できる業務 | 業務内容 |
| 窓口・バックオフィス関連業務 | 証明書発行・住民異動業務 |
| コールセンター・問い合わせ対応 | |
| 文書管理・データ入力業務 | |
| マイナンバー関連業務 | マイナンバーカードの申請・交付サポート |
| 出張申請イベントの運営 | |
| 問い合わせ対応 | |
| 専門事務関連業務 | 国民健康保険・年金業務 |
| 税務関連業務 | |
| ふるさと納税関連業務 | |
| 広報・プロモーション関連業務 | 広報誌の制作 |
| ウェブサイト・SNSの運用 | |
| 福祉関連業務 | 要介護認定申請受付・処理業務 |
4.【モデルケース】BPOで変わる自治体業務の具体例

ここでは、自治体の業務にBPOサービスを導入した場合に考えられる効果やメリットについてご紹介します。
【モデルケース①】給付金・補助金業務の効率化
●課題
災害時の緊急給付金や子育て補助金など、申請期間が限定された業務は、窓口やコールセンターがパンクし、職員が通常業務を圧迫される。
●BPO導入後
業務フロー: 申請書の受付・不備確認、データ入力、書類の保管、専用コールセンター対応などをBPO事業者が一括して担う。
●導入メリット
職員の業務負担を劇的に軽減し、給付金を迅速に住民へ届けられる。期間限定の業務でも、必要な時に必要なリソースを確保でき、業務の停滞を防ぐ。
【モデルケース②】要介護認定申請の効率化
●課題
申請手続きの複雑化により職員の負担が増加し、処理の遅延が発生。また、要介護認定に必要な調査員の確保や育成が困難で、専門性を維持できない。
●BPO導入後
申請書類の受付、不備確認、データ入力といった事務作業を一括委託し、職員の負担を軽減。さらに、BPO事業者が資格を持った訪問調査員の手配・管理も担うことで、調査の迅速化と質の安定化を同時に実現。
●導入メリット
職員はより専門的な地域包括ケアシステムの推進といったコア業務に集中できるようになる。
5.コウシンの導入事例:独立行政法人へのBPO導入

次に当社が実際に独立行政法人様のご依頼で受託したBPOサービスの事例をご紹介します。過去に他部署でも導入していただいた実績があり、業務改善の効果を実感していただいていた法人様よりご依頼いただきました。
●導入したサービス
社会福祉施設の申請・制度に関わるヘルプデスク運用・申請書類の処理
●課題
通年の業務ではないため、プロジェクトの立ち上げのたびに担当者が派遣社員の教育やフォローに追われていた。
●BPO導入後
ヘルプデスク業務をまるごと委託できたことでプロジェクトの立ち上げがスムーズになり、トレーニング体制や情報共有の仕組みを整えたことで安定した運用体制を確保できた。
●導入メリット
ヘルプデスクの立ち上げ・運用から解放され、職員がコア業務に集中できるようになった。
6. まとめ:自治体BPOがもたらす3つのメリット
自治体や公的な事業へのBPO導入は主に3つのメリットをもたらします。
●業務負担を軽減し、職員のコア業務への集中を促す
●DX推進を加速させ、時代に合わせたサービスを実現する
●安定した業務運営と住民サービスの向上を両立する
これらのメリットは一般企業と同じようにBPOサービスの導入によって、多くの公的事業でも実現可能です。
働き方改革やDX推進は今や自治体でも待ったなしの状況です。ぜひ一度、お気軽にご相談ください。
JIS Q 27001:2023(ISO/IEC 27001:2022)
一般人材派遣業:労働大臣許可 派13-01-0526
人材紹介業:労働大臣許可 13-ュ-010435
経済産業省認定番号:第37号‐24020002
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