BPOは業務効率化だけじゃない!対外的な信頼性を担保するコンプライアンス・ガバナンス体制を構築する方法

アウトソーシングのひとつであるBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)はコスト削減が主な目的だと考えていませんか?
実は現在、企業の必須課題となっているコンプライアンス・ガバナンス強化の土台を作る手段としても注目されています。
BPO事業者の専門性によっていかに効率的かつ確実に業務プロセスを標準化し、コンプライアンス・ガバナンスのリスクを軽減することができるのです。
本記事ではBPO導入によって対外的な企業価値を高める具体的な方法をご紹介します。
1.企業のコンプライアンス、ガバナンスとは?

昨今、耳にすることが多い企業のコンプライアンス、ガバナンスとは何を意味するのでしょうか。似た意味で捉えられることも多いこの二つの定義と違いについて、具体的な事例もまじえて解説します。
■企業経営に欠くことのできない「コンプライアンス」とは
一般的に「コンプライアンス」とは「法令遵守」を意味します。しかしこの「法令」には、国で定められた法律・法令のみでなく、マナーなどの社会的規範、企業が顧客や従業員、取引先と関わる際の企業倫理なども含まれており、その範囲は非常に多岐に渡っています。
企業の事業活動を行う上で、法律を順守することはもちろんのこと、社会の倫理感に沿って行動することが企業価値の維持、向上に欠かせないものとなっているのです。
■コンプライアンス違反の事例
コンプライアンス違反はときに企業の存続をも脅かすリスクとなり得ます。
●大手食品メーカーの産地偽装
牛肉の産地偽装(輸入牛肉を国産と偽装する補助金詐欺)を行っていたことが発覚し、グループ会社全体の信頼が失墜。親会社も事業再編を余儀なくされるなど、企業ブランドと市場シェアに甚大な被害を受けました。
●大手化学メーカーグループ会社の品質データ改ざん
化学メーカーのグループ会社の建材販売企業によるマンションの基礎杭工事におけるデータ改ざんが発覚。これにより、建物の安全性が疑われる事態となり、全国の同様の工事に対する大規模な調査が必要となりました。親会社である上場企業は巨額の特別損失を計上し、経営トップが辞任するなど、企業統治(ガバナンス)の面で大きな問題として扱われた事例です。
■企業のガバナンス(企業統治)
企業経営における「ガバナンス」とは、企業統治のことを指します。
これは、株主や顧客、従業員などのステークホルダー(企業活動に直接的・間接的に関わり、影響を受ける利害関係者)の利益を守るため、経営陣が暴走しないよう監視・監督し、透明性・健全性を保つための仕組み全般を指します。具体的には、取締役会や監査役の設置、内部通報制度の運用、リスク管理体制の構築などがこれにあたります。
■コンプライアンスとガバナンスの違いは?
コンプライアンスは「何をすべきか」という行動規範であり、ガバナンスはそれを「誰が、どのようにチェックし、是正するか」という統治の枠組みです。ガバナンスが機能して初めて、コンプライアンスは組織全体で徹底されるのです。
■中小企業にもコンプライアンス・ガバナンス強化が必要
大企業に比べ、中小企業は経営者と現場の距離が近いため、何かあった場合でも話し合えばなんとかなるだろうと考えているケースもあるかもしれません。
しかし中小企業でもひとたびコンプライアンス違反が発生すれば、瞬く間に信用を失い、存続の危機に直面します。特に現代ではインターネット上で情報が拡散されやすく、中小企業でもコンプライアンス違反によって批判にさらされる可能性もあるからです。
規模にかかわらず、ガバナンスとコンプライアンスの強化は企業の信頼性の証となっています。
2.BPOによる「コンプライアンス強化」の具体策

企業がコンプライアンスとガバナンスを強化し、継続的な企業価値の向上を目指す上で、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の活用は、単なるコスト削減を超えた戦略的な意味合いを持ちます。
■BPO事業者の専門性による法改正への確実な対応
人事・労務(給与計算、社会保険手続きなど)や経理(税務処理など)の分野は、頻繁な法改正が起こります。BPO事業者は、これらの分野の専門家集団であり、最新の法令や行政の指針に関する情報を常に収集・共有しています。
自社内で法改正への対応を担う必要がなくなるため、法令知識の不足によるコンプライアンス違反のリスクを大幅に軽減し、常に最新かつ正確な業務運営が可能になります。
■セキュリティ体制の強化
情報漏洩は、企業の信用を決定的に失墜させる重大なコンプライアンス違反です。
ビジネスの環境がデジタル化した現在、サイバー攻撃や情報漏えいのリスクは高まっています。セキュリティコンプライアンス違反は企業の信頼の失墜にもつながるため、喫緊の対応が求められている事案です。
BPO事業者は、金融機関や大規模企業との取引を通じて培った厳格な情報セキュリティ体制と、最新のセキュリティ技術を保有しています。ISO認証(※1)などの国際基準に準拠した管理体制のもとで業務が行われるため、自社で多額の投資や専門家の雇用をすることなく、機密性の高い情報を安全に取り扱う環境を確立できます。
※ISO認証組織が情報資産(顧客情報、契約情報、個人情報など)を適切に保護・管理するための仕組み(ISMS:情報セキュリティマネジメントシステム)に関する国際規格。BPO事業者を選択する際に取得しているかどうかなど、事業者のセキュリティ体制を確認する必要があります。
3.「ガバナンス強化」の具体策

ガバナンス強化は、組織の仕組み(内部統制)によって不正や経営リスクを防ぐことです。BPOはガバナンス強化をサポートする手段の一つとなります。
■属人化の解消と業務プロセスの標準化
特定の担当者しか業務プロセスを知らない、いわゆる「属人化」した環境では、データ改ざんや着服などの不正が発生しやすくなります。
BPO導入では、そのプロセスにおいて、業務フローをすべて分解、見える化、そして標準することになります。こうしたプロセスを通して業務の透明性が向上し、特定個人に依存したブラックボックス的な業務をなくしていくため、企業ガバナンスの土台を作ることになるのです。
■不正・ミスを防ぐ強力な内部統制
ガバナンスの根幹である内部統制は、「職務の分離」によって適切に実行される可能性が高まります。誰が何を担当しているかを把握しやすくなるため、不正防止やリスク管理がしやすくなるからです。
BPOにより、業務担当者とチェック担当者、承認担当者を明確に分ける体制を構築できます。これにより、特定の担当者による不正なデータ操作や隠蔽などは極めて困難になるでしょう。
また、BPO事業者が提供する客観的な第三者によるチェック機能は、自社の組織内では見落としがちな業務上のミスや潜在的な不正リスクの早期発見にもつながり、強力な内部牽制機能として作用します。
4.BPO導入モデル事例

次にBPO導入により、セキュリティ強化や新法に対応できる事例をご紹介します。
事例1:D社(サービス業・従業員80名)のケース:個人情報管理とセキュリティ強化
【課題】
顧客の個人情報や従業員の機密情報(給与・健康診断データ)を社内PCやファイルサーバーで管理しており、情報漏洩リスクが高い状態。個人情報保護法の遵守義務があるものの、専門的なセキュリティ対策や監査体制を自社で構築するリソースがなかった。
【BPO導入による成果】
・ BPO事業者が持つISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証に準拠した高セキュリティ環境に、人事・経理関連の機密データを移行。
・データアクセス権限を最小限に制限し、誰がいつデータに触れたかのログ管理を厳格化。個人情報保護法上の安全管理措置を確実に実施。
事例2:C社(ウェブ制作業・従業員50名)のケース:フリーランス保護新法への対応
【課題】
・フリーランスとの契約内容を明示しないことによる行政指導や罰則リスクがあった。
・支払いの遅延による法的なトラブルや、行政指導のリスク
【BPOによるコンプライアンス強化】
・BPO事業者が適切な交付プロセスを設計・運用することで、法令違反を回避した。
・BPOによる経理業務の標準化で、支払い期日の管理を徹底し、遅延を防ぐ体制を整えた。
5.まとめ
企業経営におけるコンプライアンス、ガバナンスは今や企業の信頼、そして存続にも関わるほど喫緊の課題となっています。
その背景には企業価値の持続性や、企業倫理が重要視されるようになった状況に加えて、SNSの普及により、情報拡散のスピードが高速化していることもあげられます。
しかしこれを業務のあり方やプロセスを見直す機会と捉え、最適化や標準化に取り組むきっかけにすることも可能です。
コウシンの「ゼロからはじめるBPO」では、現場に寄り添う充実したサポートでお客様の業務最適化を支援します。
専任担当者が一貫して運用まで支援するため、それぞれの企業に合った導入を進めることができます。
JIS Q 27001:2023(ISO/IEC 27001:2022)
一般人材派遣業:労働大臣許可 派13-01-0526
人材紹介業:労働大臣許可 13-ュ-010435
経済産業省認定番号:第37号‐24020002
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