「年収の壁」引き上げで中小企業はどう変わる?経費と事務作業負担増、BPO導入による対応策とは

annual-income-barrier-update

「年収103万円の壁が引き上がる」というニュースを見て、人手不足解消を期待する半面、こんな不安を抱える経営者も多いかもしれません。

「具体的に何が変わるのか」

「業務に影響がある?」

「自社の負担はどうなるのか」

人材不足に悩む企業にとって労働力が増えるのは大きなメリットです。しかし中小企業にとっては「社会保険料の負担増」と「事務の煩雑化」という影響があることも見過ごせません。

本記事では、最新の改正動向を整理した上で、BPOの活用により、これらの制度が変わっていく時代に対応するための戦略を解説します。

1. 【最新版】「年収の壁」引き上げで何が変わるのか?

「年収の壁」と一言で言っても、実は「税金の壁」と「社会保険の壁」という性質の異なる2つの壁があります。今回の改正では、これらが同時に変わる点がポイントです。

■所得税のボーダーライン 手取りを気にせず働ける環境へ

2025年の税制改正により、所得税がかかり始める年収のボーダーライン、いわゆる「103万円の壁」が大きく引き上げられました。暫定的な目標として160万円程度まで上限が広がることで、パート・アルバイト従業員は「手取りが減るからこれ以上働けない」という制約から一定程度解放されることになり、これまでより長く働けるようになる人が増えると考えられます。

これにより、繁忙期にシフトを調整したり、年末に急に欠員が出たりといった「働き控え」による混乱が減ると予想できます。

■社会保険の壁(106万・130万)の変更、実質的な全員加入時代へ

一方で、企業にとってより影響が大きいのが「社会保険の壁」です。 現在、従業員数51人以上の企業には「106万円の壁(月収8.8万円以上など)」が適用されていますが、2025年6月20日に公布された改正法に基づき、今後3年以内にこの「企業規模要件」や「月収要件」の撤廃が段階的に進む見込みです。

●106万円の壁の撤廃: 週20時間以上勤務するパート社員のほとんどが、社会保険の加入対象となります。

●130万円の壁: これを超えると、配偶者の扶養から外れて自ら国民健康保険・国民年金(または勤務先の社保)に加入しなければなりません。

中長期的にはどの企業においても週20時間以上働くなら、社会保険に加入することになります。

政府は「年収の壁突破給付金」などの支援策を打ち出しており、制度の変更や従業員の就業調整、人材の定着に悩む企業に対応しています。

2.中小企業が直面する3つの影響

制度の変更は企業にとってメリットがある側面、何も対策を講じなければある意味、リスクにも直面することになります。

■ 法定福利費の増加

社会保険の加入対象者が増えるということは、会社が負担する社会保険料も増えるということです。

社会保険料の会社負担分は、給与支給額のおよそ15%~20% です。 例えば、これまで103万円以下で抑えていた従業員が160万円まで働くようになり、かつ社会保険に加入した場合、1人あたり年間で数十万円単位のコスト増となります。これが10人、20人と重なれば法定福利費によるコストの負担はさらに大きくなるでしょう。

■年末調整・給与計算の複雑化

改正の過渡期には、旧制度と新制度が混在し、計算ルールが複雑になります。

「この従業員はどの控除が適用されるのか?」

「住民税の算出根拠はどう変わるのか?」

「社会保険の加入タイミングをいつに設定すべきか?」

制度変更のたびに対応する担当者の事務作業の負担が急激に増えることが考えられます。

■従業員からの相談への対応

従業員にとっても「自分は結局いくらまで働くのが一番得なのか?」というのは大きな関心事です。

 「私は160万まで働いても損しませんか?」

「社保に入ったら手取りはいくら減りますか?」

 こうした一人ひとりの個別相談に乗る必要も出てきます。

特に中小企業の経営者にとっては本来の業務に集中するべき時間をこうした対応に追われてしまうことが考えられます。

3.制度改正に強い「持続可能なバックオフィス」の作り方

年収の壁には住民税の壁、所得税の壁、社会保険料の壁、配偶者控除など様々な壁があり、企業の担当者に複雑な対応が求められます。

そして法律が変わるたびにシステムを改修し、担当者を教育するのは中小企業にとって非効率です。

また、専門家ではないスタッフが片手間でこれを行うことにより、ミスが発生するリスクもあります。

BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシングBusiness Process Outsourcing)でバックオフィス業務をまるごと外注することは、そうしたリスクを回避するための手段となります。

4.BPO(アウトソーシング)へ切り出すメリットとは

バックオフィスに関わる制度改正への対応策としてBPOはコスト削減以上のさまざまな価値を提供します。

■プロフェッショナルによる法改正対応

BPO事業者は給与計算や社会保険のプロフェッショナルです。常に最新の法律を把握し、システムも自動的にアップデートされます。経営者は「法改正の内容を正しく理解できているか?」という不安から解放され、常にコンプライアンス(法令遵守)が保たれた状態で運用できます。

■固定費を変動費へ変換

事務員を1人雇用し続けるには、給与だけでなく社会保険料、福利厚生、退職金、そして採用・教育コストがかかります。BPOであれば、業務量に応じた従量課金や、必要な範囲だけの委託が可能です。 特に人材コストが上昇するこれからの時代、事務スタッフ1人を抱えるよりも、BPOを活用した方がトータルコストを低く抑えられるケースが増えています。

■コア業務への集中と人材定着

人事担当者の本来の仕事は、定型的な事務作業や複雑な法改正への対応にとどまりません。

特にこれからの企業は「いかに良い人材を採り、定着させ、売上を上げるか」という戦略的な業務が求められるでしょう。

 煩雑な計算業務や制度説明をプロに任せることで、社内のリソースを「従業員のモチベーション向上」や「顧客満足度の改善」といった、直接利益を生む業務に集中させることができます。

5. まとめ:この機会を経営のスリム化のきっかけに

「年収の壁」の引き上げは、短期的にはコスト増と事務の混乱を招くかもしれません。しかし、見方を変えれば、これは「自社のバックオフィスのあり方を根本から見直すチャンス」ではないでしょうか。

制度は今後も、少子高齢化や働き方の多様化に合わせて変わり続けます。そのたびに自社で右往左往するのではなく、定型業務を外部に任せるという選択をすることも、不確実な時代における中小企業の生存戦略の一つです。

「全てを自社で賄わなければならない」という考えを見直し、外部リソースを賢く使った「スリムで強い経営」への一歩を踏み出してみませんか。

電話でのお問い合わせ

0120-028-863

通話無料受付時間:平日9:00~18:00

JIS Q 27001:2023(ISO/IEC 27001:2022)

JIS Q 27001:2023(ISO/IEC 27001:2022)

一般人材派遣業:労働大臣許可 派13-01-0526
人材紹介業:労働大臣許可 13-ュ-010435

経済産業省認定番号:第37号‐24020002

経済産業省認定番号:第37号‐24020002

コウシンの「ゼロから始めるBPO」が、あなたの会社の生産性向上を支援します!