人事･労務

アウトソーシングの次なる一手：中小企業のためのBPO戦略

2025.01.06

中小企業の「業務をアウトソーシングしたいが、難しい」という悩みを耳にします。
アウトソーシングを利用した方が効率が良くなる業務の整理ができていない、マニュアルが整備できておらず依頼できる状態にない、アウトソーシングを利用できるほど業務量がないなど、中小企業が業務を外に出すハードルは高く感じられているかもしれません。

バックオフィス業務に従事する600人を対象にした調査によると、従業員数が500人を超える企業のアウトソーシングサービスの利用率は約５割、一方で中小企業は２割程度に留まっています。

以前もアウトソーシングをテーマに取り上げたことがありますが、その際は人材確保に代わる選択肢として紹介するものでした。今回は、中小企業に適したアウトソーシングの形について考えてみたいと思います。

中小企業が直面するアウトソーシングのハードル

アウトソーシングと聞くと、データ入力など単純な業務を外注することという印象が強いかもしれません。
実際、300人～500人規模くらいの企業からは、簡単な業務を外注に出していく形でアウトソーシングの活用が進んでいる傾向があります。コア業務に集中するため、社内業務の半分を外注している企業もあるのではないでしょうか。

ですが、冒頭にも書いた通り、中小企業でのアウトソーシングの普及率は低いです。
中小企業では、規模の大きな企業ほど業務が整理されておらず、少ない社員で色々な業務に対応するため業務の属人化も進みやすくなっています。
アウトソーシングを活用するには、自分たちで切り出す業務を決めて、業務のマニュアルを用意する必要があります。
しかし、それは中小企業にとっては簡単なことではありません。

中小企業に必要なのは、大手企業が活用するような簡単な業務の切り出しではなく、業務上の課題の洗い出しから引き受け、外注作業の進め方を整理し、実作業をしてくれるようなアウトソーシングサービスです。

中小企業の救世主　ビジネス・プロセス・アウトソーシング

そんな都合のいいアウトソーシングがあるのか疑問を持たれたかもしれません。
こういった業務プロセスを一括して引き受け、外注作業の企画・設計・分析・実作業など、すべてに対応するアウトソーシングは「ビジネス・プロセス・アウトソーシング（BPO）」とよばれています。

アウトソーシングから更に一歩踏み込んだ業務改善にも取り組めるのがBPOです。
自社の社員だけで業務改善を行おうとしても、人によっては自分の業務を守りたがる傾向があり、なかなか改善が進まないという経験はないでしょうか。
第三者が外注先として業務を丸ごと引き取り、作業の整理をすることにより、属人化の解消や必要な作業と不要な作業の切り分けにつながります。

人材確保にも苦労する今だからこそ、BPOを活用することで人件費の抑制にもつながるでしょう。業務改善の中で、人がやっていた作業をITツールやAIを使って自動化することも考えられます。人手が足りない中ではなかなか進まない業務改善の提案を受けられるのもBPOのメリットです。

BPOによる業務改革：コウシンのアプローチ

実は弊社もBPOサービスの展開に力を入れています。
元々は単純なアウトソーシングサービスから始まっているのですが、規模の小さな企業様の「アウトソーシングしたいが、できない」という事情を聞くうちに、BPOを通して企業様の中の課題解決を進めていくべきだと考えるようになりました。
実際、BPOサービスを利用いただいてる企業様からありがたい評価をいただいています。

弊社の場合は、まず３か月のトライアル運用をさせてもらうことから始まります。
その期間中に企業様の中に企画担当が入り、業務の全体像の把握や担当者との関係づくりを進め、業務フローの整理と設計を行い、企業様がそれで進めたいとなれば実作業に入る流れです。そこから更に継続的な改善提案を行っていくことになります。

規模としては小さな会社ではありますが、AI対応なども含めたIT系の改善提案も可能なため、業務プロセス丸ごとお任せいただければ、企画から課題の吸い上げ、マニュアル作成、業務改善などを進め、最終的に内製化につなげることも可能です。

BPOによって業務プロセスがスリム化したら、このくらいであれば自社でやりたいという企業様もいらっしゃいます。そういった場合の内製化に向けたフォローにも対応できるのはちょっとした弊社の自慢です。

宣伝めいた話になってしまいましたが、企業様の課題を根本から解決することができるサービスがBPOだと思っています。手が足りないところをフォローすることで、人手不足や属人化を解消し、コストを下げる仕組みを提案していきたいと思っています。

from フミちゃん

フミちゃんプロフィール

ゼネラルマネージャーの西田二三代です。業界30年以上の知見から、企業の人事担当者様に離職率の低減、面接の印象を良くするなどの役立つ情報をブログという形でお伝えします。
・1000社以上の企業にスタッフを紹介
・人材業界で30年以上のキャリア
・マネージャーとして事業部を統括
・面接したスタッフは延べ10,000人以上
・年齢：30歳プラス少々