RPA導入!現場主導で実現した業務効率化

RPAの導入相談で、よくお聞きする声があります。
「現場の社員は使いたいけど、どう社内で進めていいか分からない」
「経営者としてDXを推進したいが、現場が反対するかも…」
現場から進める「ボトムアップ型」か、経営主導で進める「トップダウン型」かの声です。
RPA導入事例を振り返ると、どちらの進め方でも成功している企業はあります。大切なのは「成功のポイント」をどう押さえるか、ということです。
そこで今回は、現場部門主導のボトムアップ型でRPA導入に成功したA社の事例をご紹介します。
自分たちの業務は、自分たちで自動化する
建設業を営むA社は、「業務効率化」や「生産性向上」という経営方針を掲げていました。しかし、RPA導入などの具体的な指示はなく、現場では「何から始めればいいのか分からない」という手探りの状態が続いていました。
そんな中、毎月決まった請求書処理や社内書類管理など、山積みのルーティン業務を抱えていた総務部のTさんは、展示会でRPAに出会います。「このままでは業務量が増え続け、今の人員では対応できなくなる」そんな危機感から、「自分たちで業務を効率化できる方法はないか」と模索していたそうです。
A社には情報システム部門がなく、システム対応はほぼ1人で担っている状況でした。そのためTさんは、「エンジニアに頼らず、自分たちでロボを作れる」RPAに大きな魅力を感じたといいます。
この「自分たちで業務を変える」という意識こそが、RPA導入を成功へと導く第一歩でした。
トライアル中に行った「ロボのお披露目会」
Tさんは、ただ「試したい」だけで終わらせませんでした。A社ではRPA導入に社長の決裁が必要であり、「導入するためにどう社内の合意を取るか」をトライアル段階から考えていたのです。
そこで、Tさんは社長を含めた社員全員に、ロボを見てもらう「お披露目会」を企画します。総務部が作成したロボはシンプルなものです。
- 社内システムにログイン
- 指定のファイルをダウンロードして名前を付け、所定フォルダに保存
- ダウンロードしたファイルをメールに添付して送信
単純な処理ではありますが、ロボが自分たちの代わりに業務をこなす様子はインパクト抜群。「これなら自社でも使える」と社長が即決し、導入は一気に進みました。
「もし会議資料だけで説明していたら、ここまで早く決裁は下りなかった」と言うほど、お披露目会は想像以上の効果を発揮しました。
社長が導入を決めた理由
また、今回社長の導入判断が早かった理由について、後日お話を伺いました。
当時、社長は業務量の増加と人手不足を強く認識しており、人員を増やそうとしても採用が進まず、対応が遅れがちであることに課題を感じていたそうです。
一方で、システム導入には高額な費用がかかり、ITツールもエンジニアがいなければ使いこなせないだろうと考えていたため、効率化を進めたい気持ちはあっても具体策を見いだせない状態でした。
そんな中、実際にロボットが動く様子を見て、さらにそれを総務部のメンバーが自分たちで作ったと知ったことで、「これなら自社でも導入できる」と判断できたと言います。
社長自身が業務効率化を重要課題と捉え、その意欲を社員に伝えていたこともあり、決断までのスピードが早かったのです。
成功のポイントは3つ
現在では総務部だけでなく他部門でもロボが稼働し、会社全体で業務効率化が進んでいます。
A社様の事例から見えた成功のポイントは、次の3つです。
- ⓵「自分たちの業務は自分たちで変える」という現場の主体性
- ⓶経営層の効率化への意欲と後押し
- ⓷デモによる効果的な社内コンセンサスの獲得
ボトムアップから始まっても、トップの理解と支援を得ることが継続的な効率化が実現するのではないでしょうか。
まとめ
RPA導入は、「ボトムアップ型」でも「トップダウン型」でも成功事例があります。
ただし共通しているのは、現場と経営、両方が納得できる導入プロセスを作ることです。
弊社おすすめのRPAは、どちらの進め方にも対応したサポートをご提供しています。「現場から提案したい」「経営視点で導入したい」など、お悩みがあればぜひご相談ください。