経理・会計

RPA導入で経理業務が劇的に変わる理由とは?導入事例とメリット、ポイントを詳しく解説!

経理業務へのRPA導入

経理業務は、企業の信用にも関わる非常に重要な部門である一方で、定型的なルーティン業務が多く、作業者への負担が大きくなりがちです。

そこで注目されているのが、経理業務のRPAです。

RPAは、繰り返し発生する定型作業をソフトウェアロボットが代行してくれる自動化ツール。経理部門に導入することで、業務の正確性向上・作業時間の大幅削減・属人化の防止など、多くの効果が期待できます。

この記事では、「そもそもRPAとは?」という基本から、経理業務への具体的な活用例、導入時の注意点、導入後の未来までをわかりやすく解説します。

「うちの会社でも使えるの?」

そんな疑問をお持ちの方にこそ読んでいただきたい内容です。

1. RPAとは?経理業務で注目される理由

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とは、入力やダウンロード、ファイルの保存といった定型的な事務作業の流れをパソコンのソフトウェアに記録させることにより、自動化する技術のことです。

RPAにより、これまで手作業で行っていた業務が自動化され、ミスなく迅速に行うことが可能になります。

■なぜ経理業務に向いているのか

RPAは定型的な事務作業を正確に繰り返す技術ですが、特に経理業務の自動化に向いていると言われています。

なぜなら、経理業務には次のような特性があるからです。

・決まった手順で繰り返す定型業務が多い

・金額に関わるためミスが許されない

・複数のシステム間でデータの連携が必要になることが多い

そのため、特に経理業務はRPAの自動化と相性がよいと言われているのです。

2. RPAで自動化できる経理業務の具体例

それでは、実際に経理の中でどのような業務がRPAによって自動化できるのか、これまでの当社のRPA導入支援の事例をご紹介します。

業務例自動化できる具体的な業務の例
繰り返しの入力作業<物品購入後の支払い手続き>・請求書のデータ化・支払承認・経理処理・支払い完了後の仕分け入力
RPAで自動化し、タイマーで決まった時間に業務が進行するように設定できる
請求書の発送業務<請求書発送業務>・メール作成・定型文入力・請求書の添付・送信
RPAでメールの下書きを作成するところまでを自動化し、最終確認を人が行う
財務会計と管理会計の連動<管理会計だけでカバーできない業務がある場合>・財務会計ソフトから必要なデータを抽出・管理会計用に加工
定型的な作業のためRPAで自動化可能

その他にも、RPAによる自動化が可能なものには次のような業務もあります。

・基幹システムからの日次売上ダウンロード

・ネットバンキングと売上管理の金額照合

・各事業拠点の損益計算書の集約

・月次決算資料の作成

・口座振替依頼書の入力等

3. RPA導入による経理業務効率化のメリット

次に、RPA導入により、経理業務には具体的にどのようなメリットがあるのかをご紹介します。

■作業時間短縮とミス削減

経理業務において正確性は不可欠ですが、手作業ではヒューマンエラーのリスクを排除できません。

そこで、RPAを導入することで、正確な処理を迅速に行うことが可能になります。加えて、RPAでは人間では行えない処理スピードで作業を行うことができます。

・数人で10日ほどかかっていたExcel作業が一人で数時間で完了できるようになった

・1時間以上かかっていた分析作業が15分で終わるようになった

など、特に大量のデータ処理をする際に大幅な業務効率化が期待でき、人手不足の解消にも繋がります。

■属人化の解消

経理業務は簿記などの専門スキルが求められるため、特定の従業員に業務が集中する傾向があります。

さらに、経理人材の不足もこの属人化を助長しています。属人化が進むと、担当者の不在時に業務が滞ったり、他の従業員による品質チェックが難しくなり、業務がブラックボックス化するなどの問題が発生します。

RPAで業務を自動化することで、経理業務が滞ることを防ぎ、一人の担当者に依存しない安定した運用により、業務品質を確保できるメリットがあります。

経理業務は簿記などの専門スキルが求められるため、特定の従業員に業務が集中する傾向があります。

さらに、経理人材の不足もこの属人化を助長しています。属人化が進むと、担当者の不在時に業務が滞ったり、他の従業員による品質チェックが難しくなり、業務がブラックボックス化するなどの問題が発生します。

RPAで業務を自動化することで、経理業務が滞ることを防ぎ、一人の担当者に依存しない安定した運用により、業務品質を確保できるメリットがあります。

■業務効率化により付加価値の高い仕事へのシフトが可能に

RPAによって経理の業務効率化が進むことで、それまでルーティンワークに時間を取られていた従業員がより付加価値の高い分析業務や戦略立案などの業務に時間を割くことができるようになります。

本来注力するべきコア業務へのシフトにより、結果的に生産性を向上させ、企業全体の成長を加速することにつながります。

■特別な技術がなくても運用が可能

Excelマクロでも、経理業務の効率化が可能です。しかしマクロの活用にはプログラミングの知識が必要です。

一方、RPAはプログラミングの知識がなくても、ドラッグ&ドロップで簡単に自動化したい業務をソフトウェアに記憶させることができます(※注1)。

操作が簡単なため、経理の担当者自身が主体的に運用していくことができる点もメリットです。

(※注1)当社で提供するRPAの機能です。主に大企業用で、プログラミングを必要とする処理がとても速いタイプのRPAもあります。

4. RPA導入時の注意点・成功のポイント

次にRPA導入時に気を付けたい点や、効果的なRPA導入のポイントを解説します。

■現在の業務フローの明確化と対象業務の選定

RPA導入の第一歩は、業務の洗い出しと自動化対象の選定です。

まずは、自社の経理業務をリスト化するところから始めましょう。リスト化をすることで、どのような業務があるかを俯瞰してみることができ、今後の自動化範囲を広げやすくなります。

リスト化したそれぞれの業務がRPA化できるかを検討する際には、特に手順が明確で繰り返しの多い業務から手を付けていくのがおすすめです。一方、判断が必要な業務やルールが曖昧な業務はRPAには不向きです。

不向きな業務でもRPA化すること自体は可能ですが、、かえって効率が落ちてしまった、ということになると本末転倒です。まずは『手を付けやすいところから触る』を徹底しましょう。

■ツール選定のポイント

次に効果的なRPAツールを選ぶ際のポイントや注意点を解説します。

1.自動化したい業務に対応しているか

自動化したい処理をRPAツールがどの程度カバーできるかを確認します。RPAツールには、幅広い業務に対応する汎用型や、特定の業務に特化した特化型などのツールがあります。また、導入形態も個人のパソコンにインストールするデスクトップ型、自社サーバーに組み込むサーバー型、ブラウザ上で操作が可能なクラウド型があります。

RPAを導入する目的や範囲、自社で活用する際の環境にあわせて適したツールを選びましょう。

2.誰でも簡単な操作で扱えるツールを選ぶ

自社にエンジニアやシステム担当者がいない場合でも、社内で使いこなせるように、誰でも簡単な操作で扱えるノーコードツールがおすすめです。せっかくRPAを導入しても設定変更が難しかったりすると使いこなすことができなくなってしまうからです。現場の担当者が扱いやすく運用できるツールかどうかを確認しましょう。

3.導入のためのサポート体制の有無

はじめてRPAを導入する場合は特にトラブルが発生した場合にサポートが受けられることも重要です。導入時の自動化シナリオ作成の支援など、手厚いサポートがあれば安心して進められます。

■部分的に始めて段階的に導入を進めるのがおすすめ

初めて経理業務にRPAを導入する場合はいきなりすべての業務を自動化するのではなく、特定の業務の一部分からスタートするのがおすすめです。

自社で最適なRPAツールの運用体制などを検証しながら、徐々に他の業務にも導入していくことでスムーズに自動化を進めることができます。

また、導入後も継続的にメンテナンスや業務改善が必要です。業務フローは企業の成長に伴って変更されることも多いため、RPAの動作もそれに合わせて調整することと、トラブル時も対応できる体制が不可欠です。

5. RPA導入で経理業務はどう変わる?将来性とキャリアへの影響

RPA導入により、これまで手作業で行っていた経理の定型業務は減っていくと考えられます。RPAによって経理の仕事がなくなるのではと懸念する担当者も少なくないようです。

しかし、RPA導入によって経理の仕事がすべて自動化され、人が行う業務がなくなってしまうということはありません。RPAは経理の仕事そのものをなくすのではなく、その役割を大きく変化させるものです。

ここではRPA導入により、経理業務はどう変わるのか、これからの経理担当者には何が求められるのかを解説します。

■RPAには適した業務と適していない業務がある

RPAには向いている業務と向いていない業務があることを認識しておく必要があります。

RPAはルールが明確に決まった定型業務には向いていますが、臨機応変な判断が必要な業務や、人とのコミュニケーションが必要な部分には適していません。

たとえば次のような業務はRPAで自動化することはできないため、導入後も引き続き人が行う必要があります。

・ルール化できない特殊な業務などのイレギュラー対応

・RPAにより自動化された処理の最終チェック

・財務分析や財務戦略の立案

・システムのメンテナンスやアップデート

RPAにより経理業務が自動化された後も、依然として人が行う業務は多く残されており、経理担当者が必要なくなるということはありません。

■RPA普及による経理業務の変化

経理業務のRPA導入により、経理担当者の仕事はそれまでの記帳や集計作業中心の業務から変化すると考えられます。

企業の経営戦略に関わる業務や、より高度な専門性を必要とする業務、複数の要素から総合的に判断する業務など、より経営者の戦略的なパートナーとしての役割が求められるようになるでしょう。

■経理担当者のスキルアップの必要性

RPA導入により経理担当者の役割が変化することで、当然求められるスキルも変わります。それに伴って経理担当者自身もスキルアップしていく必要があります。

今後の経理業務においては、例えば次のようなスキルを磨くことが大切です。

1.経営戦略に関わる知識の取得

経理担当者も事業計画や投資などについて、経理の立場からの提案の役割業務が増えていくと予想されます。経理の管理職の70%が経理部門の仕事に変化が求められていると回答した調査結果もあります。変化に対応してRPAを使いこなし、データを活用して経営をサポートするためにはスキルアップが必要です。経営戦略の基礎を学び、財務分析力、判断力を身につけることが求められるでしょう。

2.コミュニケーション能力

他部門との連携や、財務情報を上層部に伝えるなどの業務はRPA導入後も人が携わる必要のある業務です。必要な情報を的確に伝えられるコミュニケーション能力は今後の経理業務でも必要とされるスキルです。

3.ITリテラシーを高める

経理業務にRPAを導入する場合は、RPAツールを使いこなす必要があります。ツールの理解を深めることでさらに業務の効率化を目指せるメリットもあります。RPAツールに限らず、業務のデジタル化が進む現在、ITリテラシーを高めることが経理担当者にも求められています。

現在、経理の定型業務に携わっている担当者は、これらのスキルを身につけるのと同時に日常的に行っている業務の中で実践の第一歩としてできるこがあります。

「今の業務の中で改善できることは何か?」「この数字は何を意味しているのか?」といったことを意識して経理業務を行うことです。

また「経理から見た企業の課題とは何か」について話し合う場を設けるなどのステップで、新たな経理の役割にシフトしていくことができるでしょう。

6.まとめ:RPAで経理業務を効率化

RPA導入により、経理業務を大幅に効率化させることは企業の成長にとって大きなメリットとなります。

しかし一方で導入してもうまく活用できなかったり、トラブルが発生するケースもあります。スムーズなRPA導入には、まずは限定的な業務で試験的に導入し、少しずつ対象範囲を広げていくプロセスが大切です。

「ゼロからはじめるRPA」では、RPAの知識ゼロでも充実サポートさせていただきます。

はじめてのRPA導入をお任せください。

電話でのお問い合わせ

0120-676-098

通話無料受付時間:平日9:00~18:00

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JIS Q 27001:2006(ISO/27001:2005)

一般人材派遣業:労働大臣許可 派13-01-0526
人材紹介業:労働大臣許可 13-ュ-010435

経済産業省認定番号:第37号‐24020002

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