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クラウドPBX:企業にとってのメリット・デメリット徹底解説

クラウドBPX

固定電話のデジタル化が進む中、従来の電話システムを見直す企業が増えており、特にクラウドPBXが注目されています。
そこで今回は、クラウドPBX導入の前に知っておくべき基礎知識を解説します。

レガシーPBXやビジネスフォンシステムの課題

企業の電話システムは、PBXやビジネスフォンシステムを使い、複数の電話回線を管理してきました。これらのシステムは内線通話、複数同時の外線通話、着信振り分け、留守録、保留、転送、自動応答など豊富な機能を提供してきました。しかし、以下のような課題が明らかになっています。

  • 課題1:社内設置の必要性
    PBX/主装置の設置には初期コストやランニングコストがかかり、拠点ごとに設置が必要です。工事には工事担任者という国家資格が必要なため外注コストも避けられません。
  • 課題2:システムの老朽化
    保守サポート期間を過ぎたシステムが多く、障害発生時には高額な修理費用が発生する可能性があります。新しいシステムへの移行にも巨額なコストがかかります。
  • 課題3:モバイル/リモートワークへの対応困難
    旧来のPBXではモバイル端末やPC接続が難しく、多大な投資が必要です。

IP-PBX、クラウドPBXは有力な移行先

これらの課題を解決するために、IP-PBXまたはクラウドPBXへの移行が検討されています。

IP-PBXへの移行
IP-PBXはインターネット技術を基盤としたPBXで、内線通話はLAN上で行い、外線通話はIP回線を利用します。複数の拠点を内線で結ぶことができ、スマートフォンやPCも通話端末として利用可能です。コスト面では、初期費用やランニングコストが削減でき、管理も容易です。従来の電話機もアダプターを使えば利用可能ですが、IP対応電話機へのリプレースが推奨されます。初期費用とサーバー運用管理コストは避けられません。

クラウドPBXへの移行
クラウドPBXは、自社でPBXシステムを保有せず、クラウドサービス提供業者のPBX機能をインターネット越しに利用するものです。これにより、スマートフォンやPCを内線電話として簡単に利用でき、外線通話も可能です。初期費用は数万円から数十万円程度で、レガシーPBXやIP-PBXに比べて格安です。月額料金は内線電話機の数に応じて設定され、通話料金はキャリアIP網の利用料金に準じます。クラウドPBXは、機器の保守を業者が担うため、社内の運用管理コストも低減できます。ただ、既存のビジネスフォン端末を利用する場合は、複雑で高コストな選択肢となるため、全面リプレースを検討することが推奨されます。

クラウドPBXのメリットとデメリット

クラウドPBXはコスト削減や利便性の向上など多くのメリットがありますが、インターネット依存やセキュリティ対策などのデメリットも存在します。具体的には以下の通りです。

メリット

  1. コスト削減
    台数にもよりますが、初期費用やランニングコスト、外線回線料金、保守管理費用、電気代を低減できることが多いです。
  2. 利便性の向上
    インターネット環境があれば、場所や時間を問わず通話が可能です。
  3. 拡張性の高さ
    ユーザーや通話端末数の増減に柔軟に対応できます。また、災害時のBCP対策としても有効です。

 

デメリット

  1. インターネット依存
    インターネット網を利用するため、ネットワークが断絶すると通話ができなくなります。そのため、従来の電話網との併用が推奨されます。
  2. 通話品質の劣化
    仕組みがLine通話と同じであるため、社内LANやインターネットの負荷状況により通話品質が低下する可能性があります。安定したアクセス回線の確保が必要です。
  3. 情報セキュリティ
    他社のサービスを利用するため、情報セキュリティ対策が重要です。そのため、自社だけでなくサービス業者のセキュリティ対策を確認する必要があります。
  4. サービスの継続性
    クラウドPBX業者は吸収合併がよく起きるため、サービスの継続性も考慮する必要があります。

クラウドPBX導入のポイント

最後に、クラウドPBX導入にあたっての留意点を以下の4つにまとめました。

  1. 自社のニーズに合ったサービスを選ぶ
    コスト、機能、拡張性、セキュリティ、通話端末の種類や台数、通話量などを考慮し、自社の電話利用状況と業務フローに適したサービスを選ぶことが重要です。
  2. インターネット環境を整備する
    通話の遅延や音質に影響を与えるため、十分な通話品質を確保できるインターネット回線とLAN環境を整える必要があります。専門業者によるアセスメントと最適化の提案も有用です。
  3. 社内ルールを整備する
    レガシーシステムからの移行に伴い、継承できない部分を運用ルールでカバーし、関係者に周知することが必要です。
  4. 電話番号の継承が可能か確認する
    既存の電話番号を引き継げるかどうか、また050番号と0AJB番号の利用に伴うコストについて、事前に確認することが重要です。

レガシーPBXやビジネスフォンシステムを利用中の企業向けに、IP-PBXとクラウドPBXの基本知識を紹介しました。特にコールセンターや通話業務が多い企業では、電話システムの見直しがコスト削減と業務効率化につながります。クラウドPBXはモバイルやリモートワークにも最適で、低コストかつ低導入・運用負荷のサービスです。ただし、ネットワーク環境、セキュリティ、機能性、拡張性などは専門業者に相談することが有用です。

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