見落とされがちだけど実はオススメの求職者?そのおすすめポイントを解説
長い採用活動を経てようやく採用した経験者の中途社員。少しずつ自社のルールを身につけ、先輩社員からも一人前のお墨付きが出た頃に突然の退職。詳しくは聞けなかったが、同じ職種への転職らしい…。急な人材募集の背景を伺うと、このような理由が少なくありません。こういった経験をされると、多くの企業様は次の採用により慎重になり、候補者を吟味される傾向があります。人の採用と育成には時間とコストがかかりますので、その気持ちは大変よくわかります。ですが「求める人材」かつ「辞めなさそうな人材」となると、ハードルが上がることもまた事実です。
さてここでひとつ質問です。
法曹志望だった就労経験なしの30代女性。
彼女は貴社の採用候補になれる可能性がありますか?
唐突な質問でしたが、多くの企業様は敬遠されるタイプの人材ではないでしょうか。実際、彼女の初めての就職活動は困難を極めました。ですが最終的に彼女は、長年勉強してきた法律知識も活かせる労務の仕事で採用。仕事へのモチベーションと会社へのエンゲージメントが非常に高い期待の社員として活躍しています。これは本人の資質に加え、ほとんどの企業が門前払いする中、期待をかけて採用してくれた企業に大きな恩義を感じていることも理由でしょう。どうしてこのエピソードを紹介したのかというと、「求める人材」かつ「辞めなさそうな人材」につながるヒントが、彼女のような夢を追っていた未就労人材にあると常々思っているからです。
実務経験が全てではない。
努力経験がある人材は可能性の宝庫
職業柄、これまで多くの求職者の方に会い、話を聞いてきました。その中には上記の女性のように、難関資格の取得や、研究者、プロスポーツなど、ご自身の目標のために長年努力してきた方も多数います。目標は区切りをつけて諦め、就職という新たなステージへの挑戦です。経験上、そういった方は目標達成への意欲が高く、集中して物事に取り組むタイプが多い傾向にあります。そして自分の就職活動が簡単ではないことを理解している方も多いのです。事実、このような求職者は実務経験やスキル不足、目標を諦めたというネガティブなイメージから面接すら受けられない場合が非常に多くなっています。しかし人材を紹介する側からすると、環境が整えば活躍できるポテンシャルがあるのにもったいない…というのが本音です。
目標に向かって努力する素地ができているため、身につけた知識が活かせる業種や職務分野で、目標と課題がある環境には非常にマッチします。しかも入社後は、長く勤めて成果を出し、企業に恩返ししようと頑張られる方が多いため、育て甲斐があるでしょう。多くが就職活動に苦労されている人材であり、採用してくれた企業への思い入れが通常よりも強いからです。長くひとつのことに注力していたこと、就労経験が無いことのデメリットももちろんあります。それでも、企業様側の受け入れ体制さえ整えば、十二分に活躍できる人材なのです。
努力経験ありの未就労人材を活かすために
企業様側でできること
未就労人材の採用を検討する場合、企業様側では事前に以下の3点を考えてみてください。
1.求職者が努力して得た知識や経験が活かせる業務がありますか
2.入社後、明確な目標のある業務に携われますか
3.知識以外は新卒採用と同じだと配慮し、指導できますか
もちろん採用後すぐに希望の業務をというわけではありません。ですが、こういった人材が1番力を発揮するのは、やはり自身の志向と目標が合致している場合が多いのです。そしてそういった機会に恵まれることで、企業への思い入れもより強くなります。また業務の指導以上に、新卒入社の社員に教えるような基本的なことの指導が必要です。関係する社員には、年齢相応の就労経験がないため気にかける必要があることを浸透させておくことも重要になります。
企業様の求人募集時に求める人材を伺うと、何より経験者をあげられることが多くあります。しかし、採用後の様子を確認すると、経験だけが全てではないと思うのです。未就労人材の採用は、経験者の採用よりも育成負担がかかるでしょう。それでも入社後の企業への愛着や、活躍のポテンシャルは経験者に劣らないものです。求人募集の際には、ぜひ1度、そういった人材へも目を向けていただけたらと思います。
from フミちゃん
ゼネラルマネージャーの西田二三代です。業界30年以上の知見から、企業の人事担当者様に離職率の低減、面接の印象を良くするなどの役立つ情報をブログという形でお伝えします。
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