今回は、普段RPA導入に関していただくご相談の中から、実際にあったお悩みとその解決事例をご紹介します。
今回ご相談いただいた企業様は、「規模が小さいため、RPAを使うのは一人だけ…」という不安を抱えていました。
「本当に一人で使いこなせるのだろうか…」
しかし、今ではこの企業様、RPAを3年間も継続して活用されています!どのようにRPAを活用しているのか、ご紹介します。
小さな会社だからこその悩み
「RPAを導入しなければいけないのは分かっているけど…」
最初にご相談いただいたのは、業務部門でRPA推進を任されたIさん。社員30名ほどの印刷業の会社です。社長から「1人で使わせたい」との直々のご依頼で、RPA導入がスタートしました。
現場のIさんは、一般職でシステム導入の経験もなく、どこから手をつければ良いのか分からない状態でした。
「まずどの業務に使えるのか?」「どうやって自動化業務を選べばいいのか?」といった質問を毎日のようにお電話でいただきながら、二人三脚で作成を進めていきました。
ある時、Iさんはあることに気づきました。そしてそこから、自動化できる業務が一気に倍増したのです。
「これなら使い続けられそう。一安心です!」
Iさんが気づいたポイントとは何だったのでしょうか?
ロボットがやるなら、手順を変えてもOK!
「業務フローを最初から効率的に整えないと、生産性は上がらないのでは?」
最初、Iさんはこの考えにとらわれ、「カッコよく」業務フローを作ろうとして、時間がかかってしまっていたそうです。
しかし、業務自体が最適化されているかどうかは、RPA導入には必須ではありません。むしろ、その最適化に時間をかけすぎる方が非効率です。
Iさんは、「多少手順が増えても、RPAで自動化できる形にすれば、その方が生産性が上がる」と気づいたのです。
例えば…
●人間が行うと非効率な1枚ずつの印刷作業
→ ロボットがやるなら1枚ずつ印刷しても問題なし!
●データ処理で不要な項目が出てきたら、その場で作業を中断すべきか?
→ 最後まで同じ手順で登録しても結果は同じ!
Iさんの本当の悩みは「自分の業務フローが完璧でない」ということでした。
そのまま作成したら上司から指摘されるのでは、と気になっていたのです。
ロボットの力を信じてみよう
「まずは動くロボットを作成し、動かしながら業務フローを見直していくことで、ロボットもスムーズにブラッシュアップできました」
「最適なロボットを量産しなければ」とのプレッシャーを、「まずは業務をロボットに任せる」という考え方に変えると、ハードルは下がり、結果も大きく変わります。
「ロボットは文句も言わず、1日中働いてくれるので本当に助かります!」という嬉しいお言葉もいただきました。どんなに手間のかかる作業でも、ロボットは文句を言わず、しっかり働いてくれます。
今回は、「一般職1名でRPAを使いこなす」という事例をご紹介しました。
「うちも人手が少なく、同じ状況かも…」と感じた方は、実際にRPAを使用する現場の方と一緒に悩みを共有し、スタートしてみると良いかもしれません。現場でのイメージがつかめれば、RPAを任された方もスムーズに業務選定ができるでしょう。担当者の考え方が少し変わるかもしれません。